小児救急科について
当院の小児救急科では、お子さまに急に現れた心配な症状や、背景に重い病気やけがが隠れている可能性のある症状に対して、適切な診断と初期対応を行います。
お子さまは、自分の症状をうまく言葉で伝えられないことも多く、「もう少し様子を見てよいのか」「早めに受診したほうがよいのか」で迷われる保護者の方も少なくありません。
そのようなときに、まず相談できる身近な医療機関としてお役に立ちたいと考えています。
院長は日本救急医学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医の資格を有し、和歌山県立医科大学の救急集中治療医学講座・高度救命救急センターなどで救急医療に携わってきた経験もあり、急な症状の緊急性を見極めながら対応してきました。
その経験を活かし、小児救急科でも、クリニックで対応できる症状には迅速に診療を行い、より詳しい検査や入院治療が必要な場合には、適切な高度医療機関へつなげます。
「救急車を呼ぶほどではないかもしれないけれど心配」「朝まで様子を見てよいのかわからない」「かかりつけ受診まで待ってよいのか迷う」といったときも、どうぞためらわずにご相談ください。
和歌山市で、普段の健康管理だけでなく、お子さまの急な体調不良やけがのときにも頼りにしていただける小児救急科を目指しています。
このような場合は、当院の
小児救急科をご受診ください
- お子さまが急に熱を出し、ぐったりしている
- 発熱が続いていて、受診のタイミングに迷っている
- じんま疹が出て、かゆみや腫れがある
- お腹を痛がっていて、食事や水分がとりにくい
- 腕を痛がって動かさない、急に腕を使わなくなった
- 耳を痛がる、夜になると痛みが強くなる
- 症状は強くないように見えるが、いつもと様子が違って心配
- 救急車を呼ぶほどではないと思うが、早めに診てもらいたい
- 小さなお子さまで、症状をうまく説明できない
- 夜間や休日に近く、どこを受診すればよいか迷っている
- 受診すべきかどうか判断に迷う症状がある
- など
当院の小児救急科で
診療を行う主な症状
小児の発熱
子どもの発熱は、風邪などのウイルス感染で起こることが多く、熱があっても機嫌がある程度よく、水分がとれていて、呼吸も落ち着いている場合は、慌てすぎなくてよいこともあります。
鼻水、軽い咳、のどの痛みなどを伴う程度で、時間とともに少し落ち着いてくるようであれば、比較的よくみられる発熱といえます。
一方で、ぐったりして反応が悪い、水分がほとんどとれない、何度も吐く、呼吸が苦しそう、けいれんを起こした、顔色が悪い、高熱が続いている、発疹を伴うなどの場合は注意が必要です。
肺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、尿路感染症、中耳炎、まれに髄膜炎などが隠れていることもあります。
とくにインフルエンザでは「小児インフルエンザ脳症」に注意が必要です。
これはインフルエンザ感染に伴う脳の機能障害で、発熱後12~24時間以内を中心に、意識障害やけいれん、異常行動といった神経症状がみられるようになります。
死亡や後遺症のリスクがあり、早期発見・治療が重要です。
このほか、熱が高いことだけでなく、普段と様子が違う、食べられない、眠れていない、保護者の方が強く不安を感じるときには、当院の小児救急科受診をおすすめします。
ただし、呼びかけに反応しにくい、けいれんが続く、息苦しさが強い、水分も全くとれずぐったりしている場合は、救急車を呼ぶことも検討が必要です。
小児のじんま疹
じんま疹は、皮膚に赤みや盛り上がりが出て、かゆみを伴う症状で、突然症状が現れ、短時間で消えるのが特徴です。
食べ物、風邪などの感染症、汗、体温の変化、薬などをきっかけに起こることがあります。
皮膚の表面がザラザラしている湿疹と比べ、じんま疹では基本的に表面は滑らかです。
皮膚だけに症状が限られ、元気があり、呼吸や飲み込みに問題がない場合は、比較的落ち着いて対応できることもあります。
症状を見極めたうえで、皮膚科の専門医などに紹介する場合もあります。
しかし、じんま疹が急に全身へ広がる、唇やまぶたが腫れる、のどの違和感がある、声がかすれる、咳き込む、息苦しそう、ぐったりする、吐き気や腹痛を伴う場合には、強いアレルギー反応が起きている可能性があります。
血圧低下や意識障害を伴うアナフィラキシーは、短時間で悪化することがあるため、とくに注意が必要です。
アナフィラキシーが疑われる際には、アドレナリンの筋肉注射を行う場合があります。
じんま疹が急に出て心配なとき、原因がわからないとき、何度も繰り返すときは、当院の小児救急科をご受診ください。
呼吸が苦しい、顔色が悪い、意識がもうろうとしているなどの症状が伴っていれば、アナフィラキシーの疑いもあるため、場合によっては、救急車を呼ぶことが勧められます。
小児の腹痛
子どもの腹痛は、便秘や胃腸炎、食べすぎ、緊張などでも起こり、短時間でおさまることも少なくありません。
とくに繰り返す腹痛は便秘であることが多く、排便によって改善することが多くみられます。
痛みが軽く、顔色がよく、水分がとれていて、遊んだり眠ったりできるようであれば、比較的緊急性は低いと言えるでしょう
治療は症状に合わせた薬の処方や、食事などの生活習慣の改善を行っていきます。
ただし、強く痛がる、何度も繰り返す、吐いてしまう、水分がとれない、発熱がある、下痢や便秘が強い、血便がある、お腹を触ると嫌がる、歩く振動でも痛がるなどの場合は注意が必要です。
急性虫垂炎、腸重積、腸閉塞など、早めに診断が必要な病気が隠れていることがあります。
急性虫垂炎は盲腸炎とも呼ばれるもので、お腹の右下が痛むとされていますが、みぞおちや臍の周辺から痛み始めることも多く、吐き気や食欲不振もみられます。
腸重積は3か月~2歳のお子さまに起こることが多く、腸がめくれ、はまり込んで二重の部分ができてしまい、腹痛のほかに嘔吐や赤いゼリーのような血便がみられることが特徴です。
腸の蠕動に合わせて痛むため、泣いたり泣き止んだりを繰り返す場合、腸重積が疑われます。
また腸閉塞は、腸の働きが悪くなったり、一部分が狭くなったりして、腸が閉塞してしまっている状態で、激しい腹痛、お腹の張り、嘔吐といった症状がみられます。
これらは手術が必要と判断されることもあり、その場合は速やかに連携する高度医療機関をご紹介します。
お腹の痛みは、お子さまではうまく言葉にできないこともあり、泣き続けているとき、食事や水分がとれないとき、保護者の方がいつもと違うと感じるときには、当院の小児救急科受診をおすすめします。
痛みが非常に強く、ぐったりしている、顔色が悪い、繰り返し吐いて意識がはっきりしない場合は、救急車を呼ぶことを検討します。
小児の肘の痛み(肘内障)
お子さまの肘の痛みで多くみられる原因に、肘内障があります。
肘内障は「橈骨頭亜脱臼(とうこつとうあだっきゅう)」のことを指し、主に肘の靭帯が未発達な2〜6歳の小さなお子さまによくみられる肘の怪我です。
腕を引っ張った後などに肘の関節の一部がずれてしまう状態で、「肘が抜けた」と表現されることもあります。
急に泣き出したあとから腕を動かさなくなり、ダランと下げたままにしている、服を着替えさせようとすると痛がる、といった様子が見られた場合、肘内障が疑われます。
見た目の腫れや変形がはっきりしないことも少なくありません。
肘内障であれば、簡単な整復で脱臼を元に戻すことができます。
また7歳を過ぎた頃には肘の靭帯が発達し、肘内障は起こりにくくなります。
一方で、強くぶつけたあとに腫れている、明らかな変形がある、触るだけで強く痛がる、手や指の色が悪いといった場合は、骨折などほかの外傷の可能性も考える必要があります。
そのため、「肘内障らしい」と思っても自己判断で無理に戻そうとしないことが大切です。
お子さまが急に腕を使わなくなった、肘や腕を痛がる場合には、当院の小児救急科をご受診ください。
状態を確認したうえで、肘内障であれば整復を行い、ほかの怪我が疑われる場合には適切に対応します。
強い変形がある、激しく泣いてぐったりしている、高所からの転落など強い外傷がある場合は、より緊急性の高い対応が必要になることがあります。
小児の耳の痛み
子どもの耳の痛みは、中耳炎、外耳炎、耳あかの詰まり(耳垢塞栓)、風邪に伴う耳の違和感などで起こることがあります。
少し耳を気にする程度で、元気や食欲が比較的保たれている場合は、すぐに重い状態とは限りません。
しかし、夜に眠れないほど強く痛がる、発熱を伴う、泣き方がいつもと違う、耳だれが出る、耳を触るのを嫌がる、機嫌が悪い状態が続く場合は注意が必要です。
とくに小さなお子さまでは、自分で「耳が痛い」とうまく言えず、何となくぐずる、食欲が落ちるといった形で現れることもあります。
お子さまの耳の症状の原因で、圧倒的に多いのは急性中耳炎です。
急性中耳炎は細菌やウイルスの感染で中耳に炎症が起きるもので、風邪に伴って発症することが多い疾患です。
小さなお子さまでは鼻と耳をつなぐ「耳管」が大人に比べ、太く短く水平に近い角度のため、鼻やのどから病原体が侵入しやすいことによります。
このほか副鼻腔炎やアデノイドなどが原因で中耳に分泌液が溜まってしまい、音が聞こえにくくなる滲出性中耳炎や、難聴や耳だれが生じる先天性真珠腫、外耳道に細菌などが感染して発症する外耳炎などが耳の症状の原因として挙げられます。
耳の痛みが続くとき発熱や機嫌不良を伴うときは、当院の小児救急科をご受診ください。
治療としては各種点耳薬による薬物治療が中心となります。
診断の結果、より専門的な治療が必要と判断した場合は、耳鼻咽喉科などの専門医療機関をご紹介いたします。
耳の後ろまで強く腫れている、ぐったりしている、意識がはっきりしないといった場合は、緊急の対応が必要な可能性があります。