予防接種について

予防接種

当院では、地域の皆さまの健康維持・増進のため、各種予防接種を行ってまいります。
予防接種とは、病原体そのものや、その一部をもとにつくられたワクチンを接種することで、感染症にかかりにくくしたり、かかっても重症化しにくくしたりするための医療です。
ご自身を守るだけでなく、周囲の大切なご家族や地域の方への感染拡大を防ぐことにもつながります。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は身近な病気ですが、基礎疾患のある方やご高齢の方、小さなお子さまでは重症化しやすかったり、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こしたりするものがあります。
また、小児の定期接種の対象となっている感染症の中にも、髄膜炎、肺炎、重い下痢、けいれん、後遺症につながるものもあります。
そのため、ワクチンで予防できるものは、しつかりと予防しておくことをお勧めします。

当院では、和歌山市など自治体が実施する高齢者のインフルエンザや新型コロナの定期接種、小児の定期接種にも対応し、地域の皆さまの健康を支えてまいります。
助成内容や実施期間は年度により変更されることがあるため、接種をご希望の方は当院にお気軽にお問い合わせください

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる感染症で、一般的な風邪よりも急に症状が強く出やすいのが特徴です。
38℃以上の発熱、強いだるさ、筋肉痛、関節痛、頭痛、のどの痛み、咳などがみられ、例年、秋から冬にかけて流行しやすくなります。
とくに冬場に患者数が増えやすいため、流行前の接種が大切です。

重症化すると、肺炎、気管支炎、脳症などの合併症を起こすことがあり、ご高齢の方、基礎疾患のある方、乳幼児では入院が必要になることもあります。
そのため、発症予防だけでなく、重症化予防の意味でもワクチン接種が勧められます。
接種時期としては、流行が本格化する前の秋ごろから冬の初めまでに受けておくのが一般的です。

費用(税込)

3,300円

和歌山市では高齢者のインフルエンザ予防接種に関し、助成が行われています。
詳しくは下記をご参照ください。

新型コロナ

新型コロナウイルス感染症は、SARS-CoV-2というウイルスによって起こる感染症です。
発熱、のどの痛み、咳、鼻水、だるさ、頭痛など、風邪に似た症状が出ることもあれば、味覚・嗅覚の異常、息苦しさ、強い倦怠感を伴うこともあります。
季節を問わず流行の波がみられる感染症ですが、冬季を中心に患者数が増える時期もあります。

重症化すると、肺炎や呼吸不全を起こすことがあり、ご高齢の方や基礎疾患のある方では入院や重症化のリスクが高まります。
また、感染後に倦怠感、息切れ、集中力低下、嗅覚・味覚の異常などが長引く、いわゆる後遺症がみられることもあります。
こうしたリスクを下げるためにも、対象となる方ではワクチン接種が重要です。

費用(税込)

コミナティ 16,000円

和歌山市では高齢者の新型コロナ予防接種に関し、助成が行われています。
詳しくは下記をご参照ください。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスが、治った後も体内の神経に潜み、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が下がったときに再び活動を始めることで起こる病気です。
体の左右どちらか一方に、痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れるのが特徴で、50歳ごろから発症しやすくなり、加齢とともにそのリスクは高くなります。

皮疹が治った後も、長期間にわたり神経痛(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあり、日常生活に大きな影響を及ぼす場合もあります。
そのため、発症や重症化を防ぐ意味でも、65歳以上の方にはワクチン接種をお勧めしています。

ワクチンの種類

当院では以下のワクチンを取り扱っております。

ビケン(生ワクチン)

水ぼうそうの予防にも使われている、病原性を弱めたウイルスを用いた生ワクチンです。
50歳以上の方が対象で、皮下注射で1回の接種で済むのが特徴です。
費用の負担を抑えやすい一方で、発症予防効果は約50〜60%、効果の持続は5年程度とされています。
生きたウイルスを使用しているため、病気や治療(抗がん剤、ステロイド、免疫抑制剤など)で免疫力が低下している方や、妊娠中の方は接種できません。

シングリックス(不活化ワクチン)

ウイルスの一部のタンパク質と、免疫の働きを高める成分(アジュバント)を組み合わせてつくられた不活化ワクチンです。
50歳以上の方に加え、帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる18歳以上の方も対象となります。
筋肉内注射で、2ヵ月以上の間隔をあけて2回接種します。

発症予防効果は90%以上と高く、効果は9〜10年以上の長期間持続することが確認されています。
ウイルスとしての感染力を持たないため、免疫抑制状態にある方も接種できます。

一方で、接種した部位の痛み・腫れ・赤み、発熱、だるさ、筋肉痛などの副反応が比較的多くみられます。
多くは数日以内に治まりますが、接種当日〜翌日は無理をせずお過ごしください。

ビケン シングリックス
接種回数 1回 2回(2ヵ月以上の間隔)
発症予防効果 約50〜60% 約90%以上
効果の持続 5年程度 9〜10年以上(長期間持続)
対象者の制限 免疫抑制状態の方は接種不可 免疫抑制状態の方も接種可能
費用 8,000円 22,000円/回

※どちらのワクチンが適しているかは、既往歴や体質により異なりますので、診察時にご相談ください。

定期接種について

帯状疱疹ワクチンは予防接種法に基づく定期接種の対象となりました。対象年齢や接種期間、自己負担額(助成額)は市区町村ごとに異なりますので、お住まいの自治体からの案内票・ホームページをご確認のうえ、当院にお持ちください。
和歌山市では65歳以上の方を対象に、帯状疱疹予防接種の定期接種が行われています。詳しくは下記をご参照ください。

肺炎球菌

肺炎球菌は、肺炎や気管支炎、敗血症など、さまざまな感染症の原因となる細菌です。高齢になるほど肺炎にかかりやすくなり、重症化しやすいことが知られています。
重症化すると入院が必要になったり、命に関わる状態に至ることもあり、糖尿病や心臓病、呼吸器の病気などの基礎疾患がある方は特に注意が必要です。そのため、65歳以上の方には肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めしています。
和歌山市では65歳になる方を対象に、高齢者肺炎球菌予防接種の定期接種が行われています。

ワクチンの種類

当院では以下のワクチンを取り扱っております。

ニューモバックス

肺炎球菌の表面を覆う莢膜(きょうまく)という成分を精製してつくられた不活化ワクチンです。
23種類の型(血清型)の肺炎球菌に対応しており、カバーできる範囲が広いのが特徴です。
65歳以上の方や、心臓・呼吸器の病気、糖尿病などの基礎疾患があり、肺炎球菌感染症にかかるリスクが高い2歳以上の方が対象です。皮下または筋肉内に1回接種します。

一方で、免疫の記憶が残りにくいため、効果は5年程度で徐々に弱まるとされています。
効果を保つには5年以上の間隔をあけて再接種しますが、再接種のときは接種部位の痛みや腫れが前回より強く出ることがあります。

プレベナー20

肺炎球菌の莢膜成分に、免疫の働きを高めるタンパク質を結合させてつくられた不活化ワクチンです。
20種類の型に対応しており、小児の定期接種でも使われています。
成人では、65歳以上の方と、基礎疾患などで肺炎球菌感染症にかかるリスクが高い方が対象です。筋肉内に1回接種します。

免疫の記憶(メモリー)がつくられやすく、ニューモバックスより長く効果が続くと考えられています。
また、のどや鼻の粘膜に菌がすみつくのを抑える効果も期待されています。

接種した部位の痛み・腫れ・赤み、筋肉痛、だるさ、発熱などの副反応がみられることがあります。
多くは数日以内に治まりますが、接種当日〜翌日は無理をせずお過ごしください。

ニューモバックス プレベナー20
ワクチンの種類 不活化ワクチン 不活化ワクチン
対応する型 23種類 20種類
接種回数 1回(5年以上あけて再接種可) 1回
効果の持続 5年程度 長期間維持と考えらる
費用 8,000円 11,000円

※どちらのワクチンが適しているか、接種の順番や間隔などは、これまでの接種歴や基礎疾患によって異なりますので、診察時にご相談ください。

定期接種について

肺炎球菌ワクチン(高齢者用)は予防接種法に基づく定期接種です。原則として65歳になる年度に1回のみ、公費助成の対象となりま。過去に一度でも接種したことがある方は、定期接種の対象外となる場合がありますのでご注意ください。
詳しくは下記をご参照ください。

小児の定期接種

小児の予防接種は、赤ちゃんや子どもを重い感染症から守るためにとても大切です。
乳幼児は免疫が十分に育っていないため、感染すると大人より重症化しやすい病気があります。
当院では小児の予防接種も行っていますので、お気軽にご相談ください。
予防接種を希望される方は事前に予約をお願いいたします。

現在、日本で行われている主な小児の定期予防接種は、一般に以下のとおりです。
実際の接種間隔や使用ワクチンは月齢や開始時期により異なります。
当院では、母子健康手帳の確認などをさせていただきながら、お子さま一人ひとりに関し、スケジュールの調整もしていきます。

定期接種となっているワクチン

ワクチン名 種類 対象 接種回数
ロタウイルスワクチン
(ロタリックス)
生 生後6週~24週 2回
ロタウイルスワクチン
(ロタテック)
生 生後6週~32週 3回
B型肝炎ワクチン 不 生後2か月~1歳未満 3回
小児肺炎球菌ワクチン 不 生後2か月~5歳未満 1~4回 (接種開始月齢によって異なります)
五種混合ワクチン(1期)
(ヒブ・ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)
不 生後3か月~7歳6か月未満 4回
BCGワクチン 生 生後5か月~8か月未満 1回
MRワクチン
(麻疹・風疹混合)
生 第1期:1歳~2歳
第2期:年長児(小学校入学の前年)
計2回
水痘ワクチン 生 1歳~3歳未満 2回
日本脳炎ワクチン 不 生後6か月~
(標準的な初回接種年齢は3歳、追加は4歳 第二期は9歳)
計3回
2種混合ワクチン(2期)
(ジフテリア・破傷風)
不 11歳~13歳未満
(標準的な接種年齢は小学6年生)
1回
子宮頸がんワクチン
(ヒトパピローマウイルス感染症)
不 小学6年生~高校1年生相当の女子 接種開始年齢、ワクチンにより回数が異なります(2回または3回)

任意接種となっているワクチン

ワクチン名 種類 対象 接種回数
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチン 生 生後12か月~ 1回(確実に免疫をつけるなら2回推奨)
インフルエンザワクチン 不 生後6か月~ 毎年10~11月ごろ
新型コロナワクチン mRNA 生後6か月~ 2~3回
髄膜炎菌ワクチン 不 生後2か月~ 接種回数はワクチンの種類や年齢による
3種混合ワクチン
(ジフテリア・破傷風・百日咳)
不 5歳~7歳の誕生日前までに1回 1回
※不=不活化ワクチン 生=生ワクチン 
mRNA=mRNAワクチン

ワクチン接種のスケジュールについては、以下に接種開始年齢・回数などがわかりやすく書かれていますので、ご参照ください。

ワクチンの種類について

ワクチンにはいくつかの種類があり、それぞれ作り方や特徴が異なります。

生ワクチンは、病原体の毒性を弱めたものを使い、自然感染に近い形で免疫をつくりやすいのが特徴です。
ロタウイルス、BCG、MR、水痘などがこれにあたります。

不活化ワクチンは、病原体の感染する力をなくしたものや、その成分を使ってつくられます。
安全性が高く、複数回接種して免疫をしっかりつけていくタイプが多く、5種混合、小児肺炎球菌、日本脳炎、インフルエンザなどが含まれます。

組換えワクチンは、病原体そのものではなく、遺伝子技術を使って必要なタンパク質だけをつくって利用するワクチンです。
代表的なものとしてB型肝炎ワクチンや一部のHPVワクチンがあります。

mRNAワクチンは、病原体のタンパク質の設計図となるmRNAを体内に入れ、体の中でその情報をもとに免疫をつくる仕組みで、新型コロナワクチンで広く使われています。